卒業までに 渉とくるみは
いっぱいいっぱい 夢のような時間
好きなこと、二人で過ごしたね
楽しいこと いろーんなこと
駅前の喫茶店のコーヒーがおいしいからって毎日通った
席は 階段をのぼって2階の窓際の4人席
向かい合わずに並んで座ったね
くるみが窓側 渉はその横で
おしゃべり・・・ 何を話しても 何を見ても
黙って ふっと見つめ合う
二人なら楽しい
渉は時々面白い話してけらけら笑って
くるみを見ては にこっと笑って 手を繋いだ
くるみもそれにつられて 笑ったね コロコロ
笑うたびに顔を見合わせて またクスクス
ねぇ くるみ ちょっとって言いながら
肩を抱いてくるみの髪をなでる
渉ったら 気持ちいいなー なんだか眠くなってきたぁ
おかしな渉
でも二人とも安心しきって ホントに眠たかったかも
天使がおりてきて
きらきらした光のかけらを降り注いでくれてるかのように
渉とくるみの周りは きっときっとキラキラしてたよね
気がついたら 渉の腕が くるみを包んでる
ほら コーヒーさめるよ うん そうだね
コーヒー おいしいね さっきも言ってたぞ
渉も飲んでよぉ ね
うーん 僕はくるみが飲むのを見てから
何を話しても 何を見ても楽しい どんな話したっけ？
あっという間 夢の中
遊園地にいるみたいだったね
二人手をつないだり 顔を見合わせたり ドキドキ・・・
渉の横顔 手 首 暖かい
渉 髪をそっとなでてくれて また 覗き込む
ふっと横向くと唇がふれる ん？って くるみは驚く
でも 渉は何もなかったようにしゃべって手をつなぐ
渉の瞳 きれい
くるみが ぽつんと窓の外を見ながらそういうと
え？ 僕 見えてないじゃん
また渉を見る 渉の顔がすぐ横にある
そして何回めかの短いキス はずかしい? ううん・・・
自分の気持ちにうそつかなくていいんだよ
僕の前では 本当のくるみ 鎧は要らないでしょ？
僕がずっと見てるから 見守ってるから
だから、安心していいんだよ
ねぇ くるみ
手をそえるように自然に・・・ くっついてね
肩を抱いたままコーヒーを飲む渉
コーヒー 何杯お代わりした？
マスターと仲良くなるのも渉
外が夕焼けに染まる頃 その喫茶店を出る
少し歩く 手をつないだり肩を抱いたり
離さないで
うんうん ずっとずーっと くるみが好きだよ
あてもなく二人で歩く たまに顔を見合わせて･･･
それだけで良かった
くっついて歩く 夢みたいな時間
このまま時間が止まってくれたらいいのにね
できっこないことも 二人なら叶いそうな気がしたよね
ねぇ くるみ
ん？渉 なに？ なんでもないよー
ねぇ くるみ 好きだよ くるみ
うん 好きだよ 渉
くるみの方がキット大きいよ 気持ち 大好き
